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【開催報告】「煙台総合保税区産業合作マッチング交流会」

開催報告

 
 2024年9月4日(水)、弊協会大会議室において「煙台総合保税区産業合作マッチング交流会」を開催しました。
 司会の煙台市投資促進中心・姚宝鑫主任がご挨拶とともに、煙台市の社会・経済概況を紹介されました。
 煙台総合保税区・王文鋒書記より「同区の投資環境と優遇政策などの優位性」について基調講演を行われました。
 山東港口煙台港集団有限公司・王一鵬副総経理からも煙台港の現況について紹介がありました。
   「自由交流」において、煙台市一行と日本側参加者が直接交流し、相互理解を深め、今後の協力強化について実務的な意見交換をしました。

<次 第>
■開会挨拶(司会):姚宝鑫 煙台市投資促進中心主任
■煙台市PRビデオ放映
■共催機関挨拶:伊藤 智 日中経済協会業務部長
■煙台総合保税区に関するご紹介:
 王文鋒 煙台総合保税区党委員会書記、管理委員会主任
■煙台港集団に関するご紹介:
 王一鵬 山東港口煙台港集団有限公司副総経理
■質疑応答・自由交流

<中国側主な出席者>
 王文鋒  煙台総合保税区党委員会書記、管理委員会主任
 姚宝鑫  煙台市投資促進中心主任
 于秋傑  煙台総合保税区招商部長
 郝述鵬  煙台综合保税区招商副部長
 王一鵬  山東港口煙台港集団有限公司副総経理
 相培妮    煙台市投資促進中心日本企業誘致部長 など

発言要旨(発言順)

開会挨拶 煙台市投資促進中心 姚宝鑫主任

(提供:栄泰総合サービス株式会社)
 煙台市は中国山東半島の東部に位置し、日本や韓国と海を隔てて隣接している。煙台市は中国初の14の沿海開放都市の一つで、100社以上のフォーチュン500企業が投資しており、世界銀行から投資環境の「金メダル都市」として高い評価を受けている。
 非鉄金属、貴金属、グリーン石油化学、電子情報技術、自動車、ハイエンド設備、食品加工など6つの1000億ドル規模の中核産業を育成しており、2023年のGDPは1兆元を超え、中国で1兆元の大台を突破した25番目の都市である。
 煙台空港から東京、大阪、名古屋など5つの日本都市への直行便と煙台港から6本の日本定期航路が開通されている。本田技研工業、伊藤忠商事、トヨタ自動車、三井物産、日立製作所、デンソー、住友商事、新日本製鐵、シャープなどの日本企業が煙台市で延べ1400以上のプロジェクトを展開し、実際の投資利用額は30億ドル近く、年間輸出入総額は400億元以上に達している。煙台市の対外開放型の経済発展において日系企業が大いに貢献している。

基調講演 煙台総合保税区党委員会 王文鋒書記

(提供:栄泰総合サービス株式会社)
 煙台総合保税区は山東半島の芝罘湾エリア、「一帯一路」の重要な結節点に位置し、中欧班列の出発点でもあり、「海・陸・空・鉄道」の交通網が構築されており、独特な立地優位性を持っている。
 煙台港とフォックスコン工業園区を中心に、保税物流、保税加工、越境EC、検査・メンテナンスなどを主な業務を展開し、総合保税区の輸出入総額は毎年1000億元を超えて、2022年税関総署より「A級総合保税区」と評価された。
 煙台総合保税区が成立して以来、日本との交流と協力はますます深くなり、立地の優位性、投資環境、優遇政策により、多くの日本企業が煙台総合保税区に投資している。
煙台保税区には、TSK、太洋物産などの上場企業を含む8社が進出している。 投資分野は製造業と国際貿易に集中しており、製造業は自動車部品、電子製品、水産物加工、貿易は食品、酒類、化粧品、日用品などの輸出入が主流となっている。2023年度の対日輸出入総額は約50億人民元に達している。

物流における優位性
海上輸送:煙台港とシームレスに接続し、海上輸送の税関監督特別区域の中で最もコストが低い。 現在、中日航路は週7便あり、取扱貨物量は中国沿海港の中で第8位、コンテナ取扱貨物量は中国沿海港の中で第13位である。
航空輸送:煙台総合保税区は蓬莱国際空港から車で30分の距離にある。国内外70以上の都市に直行便が就航しており、航空路線の数は国内トップクラスである。圓通航空の煙台-東京、煙台-大阪の2つの貨物路線が相次ぎ開通され、煙台-名古屋の直行便も復航された。
鉄道:「斉魯号」中欧班列の集配出発地点は総合保護区内にあり、煙台-ドイツ・デュイスブルク、ロシア、中央アジア5カ国、東南アジア、ベラルーシの定期便が開通されている。
 
政策の優位性
総合保税区は保税を基本機能とする国家レベルの経済エリアであり、特別な税務政策と輸出入管理政策を実施し、保税、税還付、免税、証明書免除などの優遇政策を手厚く提供している。
 
機能の優位性
輸入銅精鉱の混合:
中国の輸入基準を満たすように、不純物レベルの異なる銅精鉱を物理的に混合する。年間60万トンの生産能力がある。
輸入食肉、チルド水産物、食用水生動物:
税関総署に認可され、同時に150トンの輸入活ガニを収容できる。
越境電子商取引の輸出入:
越境EC監督管理センターを設置。省内で最も情報化レベルが高く、立地もよく、税関のサポートが強力な税関監督センターである。現在、越境ECの保税輸入(1210件)、小売輸出(1960件)、日本と韓国の越境ゾーン返品・交換の業務を行っている。
輸入果物:
総能力800トン、一日の取扱量は100トン以上である。
輸入穀物:
煙台港は中国初の輸入穀物指定港の一つであり、運営システムを完備している。埠頭作業、船便手配、通関検査、全体物流などの「ワンストップ」サービスを提供することができる。
商品車輸出入:
煙台港は現在、山東省の商品車インテリジェント・グリーンモデル港として、最も規模が大きく、最も定期航路と輸送形式が多い。商品車の国際積み替え量は国内第1位、対外貿易輸出量は国内第3位である。
 
ビジネス環境
煙台総合保税区には、税関、市場監督管理、税務、銀行などのサービス機関があり、管理委員会は経済貿易発展、企画建設、投資促進、財政、企業サービスなどの機能機関を設立し、区内企業に国際レベルの質の高いサービス、専門分野に特化したサービスを提供している。
 
発展ビジョン
  • 海港と空港において10万平方メートルの中央倉庫を建設し、中国、日本、韓国の消費財の展示・貿易センターと流通・集荷センターを建設する。
  • グローバル鉱石製品保税混合センターの建設に全力を注いでいる。
  • 農水産物の国際貿易センターを建設する。
  • 越境EC貨物混載センターの建設に力を入れる。
  • 製造業のために次の4つの重要な産業港を建設する:医薬健康および未来食品産業、自動車部品と設備製造業、電子情報産業、低空域経済産業。 

企業紹介 山東港口煙台港集団有限公司 王一鵬副総経理  

(提供:栄泰総合サービス株式会社)
 煙台港は山東四大港口グループの一つで、インフラと集配ネットワークを完備し、山東北部に位置する重要な港であり、煙台市の「港による都市振興」戦略の支えもあり、現代的港湾クラスターを形成している。
 近年、煙台港は拡大され、2023年の貨物取扱量は4億2400万トン、コンテナ取扱貨物量は463万TEUに達し、それぞれ前年比で4.8%、12.4%の伸びを示している。
 主力業務と特色のある業務を同時に発展させ、「海運と物流の融合、港湾関連産業の誘致、新型金融・貿易の集積」の良好なエコシステムを形成している。
 海外航路の総数は150を超え、北東アジアの国際交通ハブとしての役割を担い、200以上の国や地域と貿易活動を展開している。
 日本とは関東、関西、九州地方の主要な港に、計7航路、週に6-7便の直行便を就航している。2024年1月から8月までの航路輸送量は8万5000TEUである。
 中国初の加熱・断熱機能を備えた2本の港湾原油パイプラインを有し、2基の30万トン級原油ターミナルと大型原油タンク、建設中の2つの大型LNGプロジェクトとともに原油貯蔵・輸送システムを構築した。
 政策による支援を活かし、グローバル鉱石製品保税・混合センターを構築し、混合・調合の品質では中国トップ3に入り、日本・韓国への再輸出量は北東アジアで1位である。
 複数種類の石油の精製混合と複数比率のスマート流通を率先して実現し、中国最大の原油混合・流通拠点となっている。
 山東省内では規模・航路数最大、中国北部における重要な商品車物流・流通拠点となっている。9本の国際商品車輸送航路と5本の国内航路を相次いで開拓した。8月末時点で、11航路、約7900台の中古車の輸送を達成した。
 「ワンストップ」サービスを通して税関と港が協力し通関プロセスを最適化させ、通関時間を短縮することで、特色ある対外開放のプラットフォームを構築している。
 顧客のニーズを最優先に、世界初の自動化コンテナターミナルの自動制御技術の応用と普及を実現した。また、パイプライン・スマートブレーンなどの最先端技術を駆使して、スマートな意思決定サポートを提供することで、港の生産効率化を実現し、顧客の物流コスト削減を実現した。
 地域的な包括的経済連携(RECP)協定の発効から2年が経ち、煙台港は皆様と共に、ビジネス環境を継続的に改善し、誠実で実務的な交流・協力を通じて、膠東半島と日本とのWin-Winな関係をさらに深めるように努力しつづけている。

本件お問い合わせ

◆日中経済協会・業務部 担当:金子
 E-mail:miho.kaneko[at] jc-web.or.jp TEL:03-5545-3113 

[at]は@に変換してください。
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